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沖縄文字

沖縄語は共通語と異なる音韻があります。例えば、「しまくとぅば」の「とぅ」は共通語の「と」の発音に、小さく「う」の発音を接続させるのではなく、英語の「to」の発音に近いものです。このような沖縄語の発音を1対1で表す仮名のような表現法がありませんでした。

「沖縄口(うちなーぐち)さびらー沖縄語を話しましょう」の著者である船津好明さんが考案されたのが、沖縄文字です。沖縄語には独特の発音があり、それを日本語の仮名のように、1音1文字で表すことはできないので、既存の仮名文字を組み合わせて新たに沖縄語用拡張文字、沖縄文字として提案されました。それがこちらです。各文字の発音については[ ]内の発音記号を参照してください。メニューのリンクにある沖縄語教育支援文庫の「よみがえれ地方語」に各文字の発音法が、活字で説明できる限り詳しく説明されてます。

沖縄文字の字形を見ると、通常の仮名の組み合わせで表現していた沖縄語の発音が、仮名文字を合成した分かりやすい形に考えられています。実際にこの文字を使って、沖縄語を話す会会報は書かれていて、沖縄語話者も文章表現に不自由なく使っています。なお、漢字は読み手が共通語で読んでしまわないように、全て仮名を振ります。船津さんの著書から短文を引用させていただきます。
沖縄文字使用例
手書きはよいとして、それではこの例文のようにパソコンで沖縄文字を入力するにはどうしたらよいでしょうか(以下、マイクロソフトWindowsを中心にお話をします)。まず、考えられるのは既存の平仮名文字を参考に、外字を作ることでしょう。やってみれば分かりますが、64×64のマス目をきれいに埋めて全部の沖縄文字を作るのは、結構骨が折れます。また、せっかく作っても、その外字はそのパソコンにインストールされているフォント(文字集合)に付属しているものなので、他のパソコンにコピーして移すことは著作権上できないことになってます。つまり、外字として作られた沖縄文字は自分のパソコンだけの世界で使えるだけというわけです。他のパソコンでも沖縄文字の入った文書を正しく読んでもらうには、その文書をPDFファイルに変換する必要があります。

また、外字はビットマップとして作られた文字を、内部処理でTrueTypeフォントに作り替えているので、拡大したときにきれいに表示できません。すでに外字として他の文字を登録していたら、それと重複しないようにしなければなりません。そこで、一定の条件下で自由な改変、配布が認められているIPA(情報処理推進機構)が提供しているフォントの利用です。

※声門閉鎖音を小さな「っ」で表したり、複合音を仮名文字ふたつで表すことを否定しているわけではありません。「っわ(豚)」、「くゎっちー(ご馳走)」などの書き方です。沖縄県文化振興課が作成した「しまくとぅば」に関する資料は、この書き方をしています。沖縄語の発音を文字で正確に表すことは、発音記号を並べることになりますが、それよりも、ここで紹介する沖縄文字を使用する方が分かりやすいと思います。

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